潜在値は、自分の好きなところに割り振ることにより、そこに「個性」が生まれます。
攻撃力を重視したいのか、防御力を重視したいのか、あるいは素早さや器用度を重視したいのか、これはそれぞれの冒険者が決めれば良いことです。
ですが、他方で「どうせやるなら強い冒険者になりたい」という風に考える冒険者も多いでしょう。
ここでは、潜在値の割り振りについて合理性を追求した論理を展開します。

4−1 潜在値とその割り振り

潜在値とは、まずステータス画面上では、下の赤いところに示されています。
潜在値の割り振りとは、この潜在値を、能力値に変換することを言います。
ペスカフェローチェ    (アーゼル)

冒険者No.  118        戦績 7 勝  称号 鬼スレイヤー
レベル 18 (19) 経験値 102/100
HP 974/974 MP 100/100
攻撃力 398 防御力 332
竜術力 737 竜術防御 657
戦闘技能 4 竜術技能 48
盗賊技能 5 生産技能 3
技能経験値 138 行動力 100
クラス 光竜術士 種族 フェゼル
性別 年齢 179 才
アライメント ロウ カルマ 0
名声 41 貢献度 332
潜在値 4 疲労度 0
所持金 82916 G 状態 正常
マナ結晶 火161 水181 風173 土200 光173 闇192

4−2 潜在値の割り振りの効果

能力値が上昇します。
具体的には、
耐久力 303  精神力 437  筋力 297  知力 461  冒険力 19
器用度 212  敏捷度 183  感性 275  熟練度 45
これらの数値のうち、冒険力を除くいずれかを任意で上昇させることができるということです。
潜在値を割り振るときに、同じ拳闘士でも、俺は耐久力を上げたいと思ったAさんは、出来るだけ耐久力に潜在値を割り振りました。他方でBさんは、俺は敏捷度を上げるんだと思って、出来るだけ敏捷に潜在値を割り振りました。
このように、潜在値の割り振り方が違うAさんとBさんでは、同じレベル、同じ種族、同じクラスであっても、かなり方向性の違うキャラクターが出来上がるのです。
すなわちこれがキャラクターの個性として重要な意味を持つということになりましょう。

ただし、個性と言っても、クラスの特徴には拘束されます。
例えば俺は剣士だけど、頭がいい剣士になりたいと考えたとしましょう。
しかし剣士にはそれは難しいことなのです。
下の表は、潜在値を1割り振りしたとき、どの能力に割り振りを行ったかによって上昇する値を示しています。
例えば剣士で知力に潜在値を割り振った場合、知力は6上昇する、といった具合です。
ここで、火竜術士が知力に潜在値を割り振った場合と比較してみれば明らかです。
火竜術士は、潜在値を知力に割り振った場合、同じ潜在値1を消費しても、知力が14上昇するのです。
本来知力を必要とするクラスは知力方面の能力が上昇しやすく、打撃力を持って勝負するクラスは筋力や耐久力が上昇しやすくなっている、というわけです。

耐久力 精神力 筋力 知力 器用度 敏捷度 感性 熟練度
剣士 耐久力 +11 精神力 +5 筋力 +12 知力 +6 器用度 +10 敏捷度 +11 感性 +7 熟練度 +1
狩人 耐久力 +9 精神力 +6 筋力 +10 知力 +7 器用度 +12 敏捷度 +9 感性 +10 熟練度 +1
火竜術士 耐久力 +7 精神力 +12 筋力 +6 知力 +14 器用度 +9 敏捷度 +7 感性 +9 熟練度 +1
僧侶 耐久力 +8 精神力 +14 筋力 +6 知力 +13 器用度 +7 敏捷度 +8 感性 +7 熟練度 +1
拳闘士 耐久力 +10 精神力 +7 筋力 +13 知力 +6 器用度 +8 敏捷度 +11 感性 +8 熟練度 +1
棒術士 耐久力 +10 精神力 +6 筋力 +10 知力 +9 器用度 +12 敏捷度 +10 感性 +6 熟練度 +1
盗賊 耐久力 +9 精神力 +5 筋力 +8 知力 +5 器用度 +15 敏捷度 +14 感性 +7 熟練度 +1
緋晶流・牙 耐久力 +11 精神力 +6 筋力 +10 知力 +6 器用度 +11 敏捷度 +6 感性 +13 熟練度 +1

さらに、潜在値の割り振りは、単に耐久力や筋力を上げるだけではありません。
先の例で、Bさんは「攻撃力」を上げるんだと思って、「筋力」に割り振りをしました、と書きました。
このような感じで、筋力が上がると、それに伴い攻撃力も上昇します

こんなこともあり、潜在値の割り振りはキャラクターにとって非常に重要なものであります。
筋力を上げた場合、攻撃力がそれに伴って上昇する・・・といったような、エンサガ上の設定資料では示されていない部分もここで表示してみます。
たくさん数字が出てきますので、自分自身のクラス、あるいはクラスチェンジしようかと考えるにあたって興味のあるクラスだけ見れば十分でしょう。

以下のデータにつき、仕様変更がありましたので数字に変更を加えました(2005/09/09)。現在調査中ですが概ね正しい数値になると思います。

耐久力 ←ここは何を上昇させるかを示します。
剣士 耐久力 +11 ←ここはエンサガ上の設定資料に表示されている、上昇する能力です。
HP +22
防御力 +7.3
 ここは上段の能力上昇に伴い、同時にキャラクターの能力が上昇する値を示します。
←エンサガ上の設定資料には表示されていない成長です。
 しかし実はこっちの方が重要だったりしますw

新クラスを含めた全てのクラスの表はこちら

耐久力 精神力 筋力 知力 器用度 敏捷度 感性 熟練度
剣士 耐久力 +11 精神力 +6 筋力 +12 知力 +6 器用度 +10 敏捷度 +11 感性 +7 熟練度 +1
HP +22
防御力 +7.3
竜術防御 +4 攻撃力 +8
竜術力+4 攻撃力 +1.7
竜術力 +1.7
防御力 +1.8
竜術防御 +1.8
攻撃力 +1.2
防御力 +1.2
竜術力 +1.2
竜術防 +1.2
なし
狩人 耐久力 +9 精神力 +6 筋力 +10 知力 +7 器用度 +12 敏捷度 +9 感性 +10 熟練度 +1
HP +18
防御力 +6
竜術防御 +4 攻撃力 +6.7 竜術力+4.7 攻撃力 +2
竜術力 +2
防御力 +1.5
竜術防御 +1.5
攻撃力 +1.7
防御力 +1.7
竜術力 +1.7
竜術防 +1.7
なし
火竜術士 耐久力 +7 精神力 +12 筋力 +6 知力 +14 器用度 +9 敏捷度 +7 感性 +8 熟練度 +1
HP +14
防御力 +4.7
竜術防御 +8 攻撃力 +4 竜術力+9.3 攻撃力 +1.5
竜術力 +1.5
防御力 +1.2
竜術防御 +1.2
攻撃力 +1.3
防御力 +1.3
竜術力 +1.3
竜術防 +1.3
なし
僧侶 耐久力 +8 精神力 +14 筋力 +6 知力 +13 器用度 +7 敏捷度 +8 感性 +7 熟練度 +1
HP +16
防御力 +5.3
竜術防御 +9.3 攻撃力 +4 竜術力+8.7 攻撃力 +1.2
竜術力 +1.2
防御力 +1.3
竜術防御 +1.3
攻撃力 +1.2
防御力 +1.2
竜術力 +1.2
竜術防 +1.2
なし
拳闘士 耐久力 +10 精神力 +7 筋力 +13 知力 +6 器用度 +8 敏捷度 +11 感性 +8 熟練度 +1
HP +20
防御力 +6.7
竜術防御 +4.7 攻撃力 +8.7 竜術力+4 攻撃力 +1.3
竜術力 +1.3
防御力 +1.8
竜術防御 +1.8
攻撃力 +1.3
防御力 +1.3
竜術力 +1.3
竜術防 +1.3
なし
棒術士 耐久力 +10 精神力 +6 筋力 +10 知力 +9 器用度 +12 敏捷度 +10 感性 +6 熟練度 +1
HP +20
防御力 +6.7
竜術防御 +4 攻撃力 +6.7 竜術力+6 攻撃力 +2
竜術力 +2
防御力 +1.7
竜術防御 +1.7
攻撃力 +1
防御力 +1
竜術力 +1
竜術防 +1
なし
盗賊 耐久力 +9 精神力 +5 筋力 +8 知力 +5 器用度 +15 敏捷度 +14 感性 +7 熟練度 +1
HP +18
防御力 +6
竜術防御 +3.3 攻撃力 +6 竜術力+3.3 攻撃力 +2.5
竜術力 +2.5
防御力 +2.3
竜術防御 +2.3
攻撃力 +1.2
防御力 +1.2
竜術力 +1.2
竜術防 +1.2
なし
緋晶流・牙 耐久力 +11 精神力 +6 筋力 +10 知力 +6 器用度 +11 敏捷度 +6 感性 +13 熟練度 +1
HP +22
防御力 +7.3
竜術防御 +4 攻撃力 +6.7 竜術力+4 攻撃力 +1.8
竜術力 +1.8
防御力 +1
竜術防御 +1
攻撃力 +2.2
防御力 +2.2
竜術力 +2.2
竜術防 +2.2
なし
熟練度の下段が「なし」となっているのは、熟練度が1上昇する他に特に同時に上昇する能力がないことを意味しています。

いくつか、例に取るまでもないかもしれませんが潜在値の成長について解説するなら、まず上のテーブルの中で茶色で示した部分を見てみましょう。知力に潜在値を割り振ると、知力が上がるとともに竜術力が上昇します。緋晶流牙は潜在値を1知力に割り振っても知力+6、竜術力+4という上昇しかないのに比べて、火竜術士は同じ潜在値1の割り振りで知力+14、竜術力+9.3という成長を成し遂げます。つまり、エンサガでは得意分野を伸ばすことがまず大切だと理解しましょう。

次に、グレーで示した部分を見てみましょう。ここでは僧侶の成長についてです。僧侶は潜在値1の割り振りに対して精神が+14、知力が+13となりますので、一見深く考えなければ精神に割振りをしたくなるはずです。しかし上テーブルを見ての通り、精神に割振りをした場合、精神が上昇するのと同時に成長するのは竜術防御だけですから、竜術の攻撃力は上がらないのです。もちろん竜術防御を上げたいという意図の下に精神に割り振るのならばそれはOKです。しかしこれが攻撃力に影響すると考えているとしたら間違いということになります。したがって、自分のキャラクター像を実現するために、どこに割振りをすべきなのかということは、伸びやすい伸びにくいという部分に加えて十分検討されなければならないということになります。

更に紫の部分を見てみましょう。盗賊は潜在値1に対しての成長が筋力は+8、器用度が+15となっています。
これは明らかに見た目では器用どのほうが良さそうですが、内訳を見てみると・・・もしも端的に攻撃力を上げたいのならば器用度を上げるより筋力に割振りをしたほうが攻撃力の上昇率は高いですね。このように、ストレートに能力を上昇させるのは、耐久・精神・筋力・知力に割振りをするのが有効です。じゃあ器用度に割り振る奴は馬鹿なのかと言えば必ずしもそうではありません。器用度が上がると、表示上の能力は上がりませんがクリティカルを出しやすくなるという特徴があるとか、敏捷度に割振ると防御力が上がるだけでなく回避力もあがるとか言われています。(詳細については非公開データで、尚且つ回避力がどのくらい上がったのかというのはなかなかデータを収集するのは難しいのですが、大量に割振れば、確かに回避力の上昇が見られるように感じます)

あと、熟練度についても触れて欲しいというリクエストがありましたのでいつか考察してみたいと考えています。

4−3 潜在値の割振り方:ボーフォン図書館管理人 ホノカ」(132)さん著物を参考にしています

ここまで、潜在値の割振りによる具体的な成長について細かいところを検討してきました。
次に、潜在値の個別の伸びについてはとりあえず置いておきつつ、概ね「どのようなバランスで潜在値を割振っていくとどんな成長になるのか」という具体例を示していきます。
表題に書いたように、そもそもの出所はボーフォン図書館管理人のナギサ」さんです。
ブログに書かれていたものがあまりにも良かったので、そのまま月日の流れと共に「過去」となって流れてしまうのが惜しかった・・・のでこちらに転載させていただくことにしました。が、私(筆者)で書き加えている部分も多々ありますので問題点の指摘などありましたら、当該HPの管理人(私)あてにお願いいたします。

筋力+耐久の1:1 バランス型(攻撃は「力こぶ」、防御は「耐える」)
安定した強さを持つ。
割り振り迷ったならこれにしておけばまず間違いはない。
HPは伸び、物理攻撃に対する防御力は上昇するが、竜術耐性の種族としての成長のみに依存する。
いずれにせよ竜術に対する耐久は一般に脆さが残る。竜術耐性が気になるなら多少耐久を減らして精神力に割り振るという考え方も。
筋力+器用の1:1 攻撃偏重型
高威力と高命中で装備に依存しない高火力を叩き出す。
防御面へ割り振らなかった報いは数ターンで落ちる脆さとなって返ってくる。
前衛でやるのは非常に危険。
筋力+敏捷の1:1 バランス型亜種1(攻撃は「力こぶ」、防御は「回避」)
バランス型の防御面を、HPの高さや堅さに頼るのではなく、敵の攻撃を回避することに重点を置く。
耐久に割振らないため、当然にHPは非常に低い。
バランス型と比べ、敏捷度の伸びに大きく依存するため、クラスによって向き不向きが歴然としている。
筋力+感性の1:1 バランス型亜種2(全て平均的に能力上昇させる、特に攻撃力)
正確な分析が難しい感性は、一応攻撃面にも防御面にも作用することまでは明らかになっている。
バランス型亜種1と同様、耐久に割振らないことからHPが非常に低いキャラとなるが、やはり敵の攻撃は回避することに重点を置くことになる。
また、敏捷とは異なり、感性は攻撃面にも作用するようなので、若干攻撃力は高めになるだろう。
筋力+器用の割振りパターンと、筋力+敏捷の割振りパターンの間に立つ育成方針といいうこともできよう。
当然のことながら感性の伸びが悪いなら非常に中途半端な育成方針となる可能性も。
筋力+熟練の1:1 超攻撃重視型
高熟練装備品の能力で爆発的な攻撃力を得る。
防御面も装備のお陰でそう低くはならないが、耐久振りと比べHPの面で脆さが見える。
高熟練装備品の確保にも苦労し、上昇値が%比例する鉱石との相性は抜群だが、非常に金を喰う。
あらゆる意味で大器晩成型。
言い換えれば装備依存型でもあるので、人並みの装備をしていては弱い部類になってしまう。
耐久+器用の1:1 バランス型亜種3(攻撃は「如何に当てていくか」、防御は「耐える」)
バランス型の攻撃面を、攻撃力そのものに求めるのではなく、高い命中力に依存させる。
攻撃力そのものへの寄与度は命中の方が低めであるため、バランス型よりも攻撃力が低めとなる可能性も考えられる。
バランス型亜種1と同様、器用度の伸びに大きく依存するため、クラスによって向き不向きが歴然とするだろう。
耐久+敏捷の1:1 防御偏重型
避けて耐える壁となる。
直接的火力が皆無となるので、その辺りを踏まえた運用が必要になる。
攻撃力そのものに依存しない割合ダメージスキルを所持しているクラス、あるいは攻撃以外の面でパーティのサポートにあたるクラスに向いているかもしれない。
耐久+感性の1:1 バランス型亜種4(全て平均的に能力上昇させる、特に防御力)
明確な分析が難しい感性に割振りの重きを置く点で、バランス型亜種2と類似した育成方針であるが、それよりも防御面に気をかけるもの。
育成結果としては、耐久+敏捷の防御偏重型よりは幾分か攻撃力が高いキャラになると思われるが、いずれにせよ「避けて耐える壁」となる性質には変わりないだろう。
敏捷の伸びが高いか感性の伸びが高いかで上の育成方針と使い分けるのも手。
耐久+熟練の1:1 超防御重視型
高熟練装備品の能力で爆発的な防御力を得る。
攻撃面も装備のお陰でそう低くはならない。
あとはだいたい筋力+熟練振りに同じ。大器晩成型。これで行くなら装備の充実は必要不可欠。
筋力+耐久+知力+精神+器用+敏捷+感性+熟練 無能型?
色々できるということは、取り柄が何も無いということ。
ハードモードで楽しみたいなら。
なお、筋力とした部分は、竜術士においては全て知力に置き換えて考えていただくモノというご理解でお願いします。
また、個別のクラスについて以下に育成させるかという点においては、そのクラスの成長との関係で考えると難しい組み合わせも多々あります。
例を挙げれば明らかですが、器用度の伸びの低い緋晶流牙にとって、筋力+器用割振りはあまり合理的でない育成方針といえるでしょうし、あるいは筋力の伸びが良い拳闘士が筋力への割振りを放棄して耐久+器用というような割り振りをするのも無駄が多いかもしれません。

これまでの例示としては、全体的に1:1の割振りを想定し紹介していますが、幾分か皆さんのお好みで更に気になる点に振り分けてみてもオリジナリティが生まれて楽しいかもしれません。
例えば耐久+敏捷(防御偏重型)にも少しばかりの攻撃力が欲しいと考えて、耐久+敏捷+筋力に1:1:1にしてみる等です。
伸びやすい数値と育成方針とを見比べながら、概ね合うものを選んでいけば大ハズレということもないと思いますので是非楽しんでみてください。
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